へんぺんメモ

つぶやき程度に更新中。 管理人・仲川麻子(麻吉)のメモ。ただの日記。たまにお知らせも載ります。

2019心に残った本いくつか

なんとなく恒例になってるので今年も書きます(去年更新しそびれたけど)。

 

『茄子の輝き』滝口悠生

昔勤めていた10人程度の会社や、そこにいたかわいい女の子、別れた妻を思い出しながら主人公は生活する。口の中でぐずぐずになって甘酒ができるんじゃないかというくらい思い出を反芻するのだが、ノスタルジーに首まで浸りきる当人の心地よさとそれを他者から見た時のグロテスクさ……どちらもわかる。

 

『地球に散りばめられて』多和田葉子

留学してる間に母国の島国が消えた女性Hirukoは、母国語のネイティヴを探す。長年ドイツで暮らし、ドイツ語での著作もある著者ならではの言葉や国に対する豊かな感覚が新鮮。

 

『フィフティ・ピープル』チョン・セラン

韓国のどこかの都市の50人(正確にはもっといる)の物語。各話の主人公は子供から年老いた人まで、本当にそこにいるかのように生き生きとしているが、あとがきによると相当取材したらしい。ある章に出てきた人が他の章で顔を見せたり背中を見せたり、人々は時に緩やかに時に深く繋がっている。韓国での社会問題も織り込まれ、とにかく著者の構成力がすごい。

 

あとはフィクションにしろノンフィクションにしろ、ジェンダー関連の本を多めに読んだ気がします。