へんぺんメモ

つぶやき程度に更新中。 管理人・仲川麻子(麻吉)のメモ。ただの日記。たまにお知らせも載ります。

2021心に残った本いくつか

今年は、ロシア(ソ連)に関する物、SF を比較的よく読んでました。特に中国SFの刊行が多くて、しかもアンソロジーが多いのでどれを読んだかわからなくなることしばしば。しかし『三体』は未読。だって3冊かと思ったら5冊あるんだもの……。

 

www.hakusuisha.co.j日本であまり紹介されてない中国とアメリカの作家の短編アンソロジー。初っ端の『マーおばさん』がすごく好き。本を読んでいて、作中で登場人物が突如出会うことに対して驚くのと同じように驚くことってそんなにないけど、とある場面で「うわっ!」と思い、思わず本を一回閉じて落ち着くために部屋をうろうろしてしまった。まったく古くないがなんと20年ほど前の作品らしい。

 

www.iwanami.co.jpコミカライズされたしということで再読。書かれている内容もさることながら、何が語られ、そして語られていないのかが肝でもあるので、漫画にするとその辺が難しいなと思った(漫画はとびとびにしか読んでませんが……)。

 

www.hayakawa-online.co.jpケン・リュウ最新短編集。SF作家は基本的に皆めちゃくちゃに頭がよいものだけど(と書くのも頭の悪さがすごい)、「WWⅡ時の沖縄のユタの血を引く日系アメリカ人女性の話」とか「三国志を寛骨堕胎した変身ファンタジーシスターフッドもの」とかなんでそんなん書けるんじゃい、というものの目白押し。要素大盛りで一歩間違えばB級になりかねないところをねじ伏せてエンタメに仕上げる手腕も本当に素晴らしいが、その手腕を虐げられている者の誇りを描くことに費やすことが多いのが、この作家の一番好きなところです。